交友者のメッセージ

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交友者のメッセージ

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2009-03-24

今の美術業界を考える(その263)

未来を作るために               平成21年3月21日

最近は、100年に一度の変革期という言葉をよく耳にしますので、それでは
どういう未来を私たちは描くべきなのかを考えたいと思います。
そこで、私は常日頃から‘日本の文化を世界へ発信’といっておりますので
日本の文化とはどこからどこまでで、どういうものをいうのだろうかという
定義づけについて考えさせられることがしばしばです。
もちろん、商売ですから 銀座柳画廊の扱っている作家から、私たちの
関係するところから思考が始まるわけです。そうすると、大きな壁につきあたる
のです。それは何かというと、私は日本の現代史をほとんど勉強していない
という事実です。

多くの人が 感じていると思いますが、私たちが小学校、中学校、高校、
と勉強する中で日本史の授業は常に縄文時代から始まって、やけに豊臣秀吉
から江戸時代までの戦国時代を中心に勉強して、いつも近・現代史はさらりと
しか勉強してこなかったのです。受験でもこのあたりは、さらりとしか出て
きませんから深く勉強してこないのです。
ところが、アメリカの友人から聞いた話では、彼らは自分のお父さん、
おじいちゃんの話をさせて、‘さあ おじいちゃんの青春時代はアメリカは
どういう時代だったでしょうか?‘という授業の進め方をするので、
現代から過去へ遡る
方法で学ぶのだそうです。その発想の違いといいますか、現代から過去へ、
未来から現代へと思考をめぐらすことで、未来を考える習慣づけが付いている
ように感じます。
日本ではタブーとされているこの問題は、政治的な要素を多く孕んでいるため
語ることさえ難しいことは理解しています。しかし、フランス印象派の
作家たちも、イギリスの産業革命によって絵の具がチューブで供給されたこと
により、バルビゾン派といわれる人たちも含めて外で絵を描くことが可能に
なったからできた仕事なのです。ですから、芸術の世界でもその時代背景や
政治問題からくる思想的な背景は多くの作家たちに影響を及ぼしています。
また、当時のパトロンやコレクターの状況は、当時の経済状況に大きく左右
されるわけです。ですから、文化の仕事をしているとはいえ、経済、政治に
通じていなければ、大海をコンパスなしで航海しているようなもので、
周りの環境や状況を理解して初めて、どこに向かっているのかが理解できる
のだと思うのです。

100年に一度といわれるこの大チャンスにおいて、日本の現代の歴史を
もう一度勉強しなおそうと思っています。


                         文責    野呂 洋子

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今の美術業界を考える(その262)

アートフェア東京2009          平成21年3月14日

4月3日(金)~5日(日)とアートフェア東京を開催します。次第に
集客も増えてきた昨今、どのような会になるかを色々な意味で注目して
います。
公式HP(http://www.artfairtokyo.com/)

アートの世界はもちろん金融と直結する部分もありますが、ある意味
日本の美術業界は良くも悪くも鎖国状態でしたので、どのようになるか
とても楽しみです。今週末の3月13日から15日と東京美術倶楽部の
春のアートフェアもあり(http://www.toobi.co.jp/event/index.html)
明日の15日に行ってみようと思っています。ある意味、東京美術倶楽部
とアートフェアの客層は全く違うので、どのような結果になるか楽しみ
です。アートフェア東京は、もともとコンテンポラリーの画商さんたちが
始めていたNICAFという団体が、コンテンポラリーの画商だけでは会の運営
が立ち行かないので、古美術、日本画、洋画と幅広い美術の範囲の
アートフェアに方針転換したときからのお付き合いです。また、東京美術
倶楽部は、日本で一番格式の高い倶楽部ですが、格式が高すぎて画商さんで
すら近寄りがたいのが実情です。しかし、それも今の時代ですから、どんどん
変化していくのだと思います。

私としては、業界全体が今のような時代では手を取り合うべきで、くだらない
縄張り意識などは撤廃するべきだと思っています。我々の仕事は美意識が
問われる仕事だと思っています。その美意識の高さを競わなければいけないの
ですが、どこまで多くの人に理解してもらえるかが勝負だと思っています。
先日、ある勉強会で 次のような意見をを頂きました。
「日本の文化を海外に発信したいということですが、文化的な背景が違う人たち
に、努力してまで日本の文化を理解してもらう必要があるのでしょうか?
我々の日本文化の評価を落とすことになるのではないでしょうか? お金の
問題がなければ、日本の文化は理解してもらえる人だけに理解してもらえば
よいのではないでしょうか?」 若い方にこういわれて、なんだかショックを
受けました。それは、今までの美術商にありがちな意見だからです。
しかし、日本経済全体が少子化で減少傾向にある中、やはり日本文化の担い手
は国内だけでなく、海外に求めていく時代なのだと思っています。アメリカ文化
を世界中に輸出しているように、中国文化も既に世界中に輸出体制に入って
います。これからのグローバル時代とは、世界が均一になることでは
なくて、多様性であることを、まず文化から認めてもらうことで始めの一歩が
踏み出せるのだと思います。
少なくとも、アートフェア東京では 多くの外国人をまきこんで多様な日本
の文化を紹介するいい機会になると思っています。

                              文責    野呂 洋子

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今の美術業界を考える(その261)

 画廊巡りの報告               2009年3月7日

2月21日、28日と銀座の画廊巡りをさせていただきました。
初めは 受け入れていただく画廊の了解を頂くために、何度もその画廊に
足を運んだり、趣旨を理解してもらうために社長にも同伴していただいたり
と、気をもむ事が多かったのですが、いざ実際に回ってみると非常に
楽しい会になりました。3月4月も引き続き継続することにしています。
ときどきHP(http://www.yanagi.com/index.shtml)を覗いてみて下さい。

特に、一生懸命ご説明いただいた画廊さんには感謝の限りです。
もちろん画廊主さんのご都合で、説明する方がいなかったりすること
もありますが参加者の皆様は、それぞれ満足されたご様子でした。
ただ、7件も8件も回っていると、さすがに疲れてくるのと、印象に残る
画廊と忘れてしまう画廊があるということでしたので、次回からは少し
回る画廊を減らそうかと考えています。何しろ、私自身が一番勉強に
なっているのではないかと思っていますし、こういう仕事は楽しくて
楽しくて、次々と新しいアイデアが出てくるのが不思議です。
画廊のスタッフの柳沼さんが‘画廊巡り’のプレスリリースを作ってくれて
メディアの方に送付してくれるのですが、それをみた銀座新聞さんや、
多くのメディアの方がHPや紙媒体に掲載してくれたり、FM東京さんが取材
してくれてラジオに流してくれて、また‘ラジオを聞きました’といって
参加申し込みを頂いたりと、やったことがすぐに結果につながることは
楽しさを倍増させてくれます。

こういう次期ですから、うちの画廊だけでなく、銀座の画廊さんが皆さん
プラスになることを考えて、そして来られるお客様も楽しんでいただいて、
できればコレクター予備軍になっていただくことを目的としています。
知らないことには、楽しむこともできないですし、美術館にあれだけたくさん
の人が入る事を考えれば、入場無料の画廊にもっと人が来ても不思議では
ないと感じています。画廊巡りは参加費を頂くのですが、やはり無料にして
しまうと、ドタキャンが増えますし、将来私だけでなく、多くの人にやって
頂く事を考えているので、あえて研修費として参加費用を頂く事にしています。
銀座の画廊は敷居が高くて入りずらいということですが、「今回の画廊巡りを
きっかけに、これからは自力で画廊に来られそうです。」というコメントが
とても嬉しかったです。これから狙っているのは、帝国ホテルやホテル西洋
などのコンシェルジュ向けの研修としての画廊巡りや、銀座の泰明小学校向け
に親子の画廊巡りなど、夢は広がる一方です。
小さな小さな 一歩ですが、将来は銀座の活性化につながるような、大きな
ムーブメントにしていきたいと思っています。

                                文責    野呂 洋子

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2009-03-02

今の美術業界を考える(その260)

第1回中央区観光検定試験           2009年2月28日

 先週の日曜日に、第1回 中央区観光検定試験を受けてきました。
私は 中央区の日本橋に住み始めて16年。銀座で仕事を初めて15年 ですから、仕事も、住ん
でいる所も中央区なので、だんだんと中央区に 愛着ができています。また子供が公立の日本橋
小学校に通っているので地元のお友達も増えました。住めば都ですが、お江戸のど真ん中で
仕事を得て、住む事ができることに感謝と幸せを感じています。

 たまたま、中央区の区報に‘中央区観光検定試験’が始まるということで今年は、中央区から
頼まれて、中央区区民カレッジの講師も務めることから、気軽に受けてみようかと思った次第
です。また、先週から始めた‘銀座の画廊巡り’では、画廊の紹介だけでなく、銀座の街の歴史や
文化を歩きながら紹介していこうと思っています。
 そんなこんなで、受ける事に成った検定試験ですが、テキストを開くとまあ、なんとも覚えづらい
というか、難しいというか、テキストを読んで眠くなると言うか、勉強するのが大変でした。頭に
なかなかはいらないのです。試験会場は家から歩いていけるロイヤルパークホテルを選んだので
すが、300名以上の受験者でしたが70歳以上の受験者が多く見受けられました。若い方は女性
に多く、年配の方はどちらかというと男性が多かったように感じました。90分間の試験で、問題
は100問。ホームページによると大体60点以上が合格ラインということです。
 正直いって、とても難しかったので ‘落ちるかもしれない’というあせりを感じましたが、後で
回答と照らしあわせると 67点でしたのでギリギリ合格かな~というところです。

 地元の勉強をしていて、本当に良い街に住んでいるのだな~ と誇りを持つ事が出来るのは
とても良かったと思っています。歴史と、伝統と文化を持っているという事が、住んでいる私たちに
満足感と充足感を与えてくれました。また、銀座で仕事をさせていただいているのも、有り難い事
ですが、今回の検定試験の勉強をすることで 改めて銀座の素晴らしさと、繁栄の歴史を知る事
で、未来への展望を描く事ができました。家にかえって、試験問題を社長である主人に見せると
‘中央区に16年も住んでいるんだからできないと、恥ずかしいでしょう。‘といわれてがっくりしまし
た。それでも、‘この試験問題を見ても、僕たちは中央区に住めて本当に幸せだね’と言ってくれ
ました。私たちが中央区に住み始めた時の人口から、今は約2倍になったようです。埋め立て地
も増やして、高層マンションも増えているのでますます中央区の人口は増えていくのだと思い
ます。 

                                      文責    野呂 洋子

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2008-08-21

今の美術業界を考える(その232)

 夏休み2008
 
 今年の夏休みは留学生を預かっており、彼女のスケジュールが結構入っている為に、どこにもいけそうにありません。軽井沢くらいには行けるだろうと高を括っていたのですが、どうしてどうして留学生の語学学校を休ませてはいけないと所属ロータリークラブから言われ、当てにしていた私の母親は先に旅行をいれていて、社長である私の主人は半ば仕事の軽井沢ゴルフが入っていて、娘と私と留学生の3人で東京での夏休みとなりました。
 8月にはいってからぞくぞくと各国からロータリーで日本にやってくる留学生がきて、自覚がないままに私は青少年交換委員とやらにノミネートされているらしく、それがホストファミリーとどう違うのかもわからないままに今日に至っているのが実情です。土曜日、日曜日とその留学生関係のオリエンテーションや会合が入ってきて、娘をひとり家におくわけにもいかず了解をもらって各種会合に参加してきました。そうすると、だんだんと実情と自分の置かれた立場を理解するようになってきました。正直いうと、大変なお役目を引き受けているらしい、というのが現在の認識です。
 ロータリークラブの留学制度は、日本では米山奨学財団というものが母体になっており、歴史と由緒のある海外留学制度になっています。私自身高校時代に留学したいという思いもありましたので、調べたことがありこのロータリー奨学財団も検討したことがありました。ただ、当時のことですし親に内緒で調べていたものですからロータリークラブの留学制度に対して、縁故でなければ選ばれないだろうという勝手な思い込みから、たいして調べなかったことを記憶しています。
留学制度としてはAFSが一般的にはメジャーだったように記憶しており、実際我が家にきている留学生もAFSを受験して受かったのだけど、行き先がアメリカだったのでお断りして、どうしても日本に来たかったのでロータリーの留学制度を受験しなおしたと言っています。
 さて、オリエンテーションでは事前に顔写真とどこの国から誰がやってくるという情報だけは事前に関係者に知らされておりました。代々木オリンピックセンターの会議室に集まると、若さが炸裂しているようなエネルギーに満ちあふれ、成田空港から直行してきたメキシコからの留学生が部屋に入るとまるで旧知の親友のように交流が始まります。留学生がらみの各種委員の大変さとはうらはらに、16歳から18歳の国際交流を目の当たりにすると、その活動の素晴らしさと、子供たちの可愛らしさ、まさしく青春時代を海外に出て謳歌している彼らとの触れ合いは、私に大きな刺激と喜びを与えてくれます。私自身は高校時代に行けなかった留学体験を、彼らをサポートすることで私の人生の中でもう一度、チャンスを頂いているように感じており、この活動を通じて私自身も子供たちと一緒に成長させていただいているように思います。




銀座柳画廊 副社長  野呂 洋子

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今の美術業界を考える(その228)

 美術商交友会
 
 あまたある交換会の中で、協同組合という形態で活動している交換会で、美術商交友会という団体があります。この団体は、うちの社長が理事をしていた関係で、なじみが深かったのですが、7月の人事改選で今度は 私が監事役という役目をおおせつかることになりました。

 はっきりいって、男性社会で、年功序列、閉鎖的な美術社会において私のような異端児を選出するのは、ものすごくリスキーなことだと思うので、私を推薦してくださった方に「私のことを過大評価してくださるのは、とても有り難いのですが、時限爆弾をかかえるようなことだと思いますよ。悪気はないのですが、思ったことはすぐに言葉にして、行動してしまいますから、美術団体ではご迷惑をおかけすることになると思うのですが…」と正直に自分の思ったことをお伝えしました。すると、「この会は開かれた会にしていきたいし、あなたのご主人様を含めて、2代目、3代目の方々が多い業界の中で、私はこの会を若い美術商を育てる場所にしていきたいと思っているのです。若い画商さん、地方の業者さん、そして女性の画商さんを育てる交換会にしていきたいと考えています。ですから役員に貴女だけでなく、もう一人女性の画商さんをいれることを考えています。」ということでした。そのもうひとりの女性画商さんが私と馬の合う方だったので、早速連絡をとってみました。彼女いわく「洋子さんがやらなかったら 私もやらないわよ。」ということでしたので、これはまた責任重大だな…と思いながらも、その前に言われていたもっと大きな仕事はあれこれと泣き言をいってそれだけの実力がないことを理解してもらっていたので、監事役というお役目をお引き受けすることにいたしました。

 とは言いましても、この業界の中で交換会というシステムは日本独自の固有のシステムであり、そうそう簡単にはかわりそうもないと感じています。しかしながら、第1回目の理事会で理事長の所信表明がありまして、お話を伺うと、さすが理事長になる方は志が高く、私のようなものでも応援していきたいと思いました。現実には理想通りにいかないことが多々あるのだと覚悟はしておりますが、自分のできる範囲でお役にたつことはしていきたいと思います。




銀座柳画廊 副社長  野呂 洋子

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2008-07-12

今の美術業界を考える(その227)

 あすか会議2008
 
 今年もグロービスが主催する「あすか会議」に参加して参りました。この「あすか会議」も4年目になりますが、気がつくと私は全参加しているのですね。基本的にはグロービスの大学院の卒業生しか受講できないことになっているのですが、堀代表のゲストということで参加させてもらっています。

 「変革と創造の志士」を育てることを目的とするビジネススクールですが、昨年度には学校法人になり、「あすか会議」も参加する度にグレードアップされていて、日々進歩する姿に身の引き締まる思いで参加しています。
 実際に画廊という零細企業を運営している中、グロービスで論理的思考によりビジネスを考える習慣をつけ、フレームワークによって思考する習慣付けをさせていただいたことは感謝の限りです。
 現場のビジネスでは、MBAなど役に立たないという人は多くおりますが、それでも学ぶことは重要だと思っています。経営者は常に、論理的に分析をしながらも、周りの人たちの感情をくみとりながら仕事をしてもらわなければなりません。いわゆる「右手にそろばん、左手に論語」というやつです。

 今回の私の学びは、2日目のセッションでの「陽明学」が一番でした。日頃、堀代表が「逆境がくることで、自分を成長させるチャンスをもらえたと感謝することにしている。」と話していることは、陽明学での学びだったことがわかりました。講師の方もまた、とても魅力的な方で、陽明学は非常に奥が深く、これをきっかけに何冊か本を購入して勉強してみようと思います。
 林田明大先生いわく、朱子学は江戸時代のように安定した時期には非常に学問として機能するのですが、明治維新を支えた学問は、明らかに陽明学で、勝海舟を始めとして坂本龍馬も陽明学を学んでいたことは疑いのない事実です。ということでした。今の時代はまさしく、明治維新と匹敵するほどの時代の変革期ですから、陽明学の考え方を学ぶことはこれからの時代の波を乗り越えるにはとっておきの学問だといえそうです。
 また4回連続、あすか会議に参加することで「あすか会議仲間」のような方たちもできました。優秀な人たちと交流することは、色んな意味で大きな刺激と仕事に対する向上心を与えてくれます。
 また、サラリーマンの方たちも「あすか会議」に参加されている方々は早いスピードで昇進されていらっしゃる方も多く、私の向上心を刺激してくれます。学ぶ仲間がいるということが、人生を豊かにしてくれることをグロービスさんに教えていただいて感謝しています。




銀座柳画廊 副社長  野呂 洋子

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2008-07-05

今の美術業界を考える(その226)

 ロンドンオークション報告
 
 6月の終わりのロンドンのオークションに社長が参加してきました。
 私はお留守番でしたので、実況報告というわけにはいかないのですが、カタログでみた結果からの考察と、社長の実況報告をご報告したいと思います。

 サブプライムを発端に始まった、世界の景気の不安定さが美術の市場に与える影響ですが、一言でいうのは非常に難しい状態だと思います。
 ナイトセールの数億円をこえるような一級品に関して言えば、まだまだ強気の相場を維持しており、モネなどは100億円を超える作品が出て参りました。しかし、デイセールの作品や、ちょっとした作品など、いわゆる日本人がよく出品するような作品の落札結果は芳しくないように思います。またロシアはオイルマネーが入っているため、ロシア人好みの作家、例えばピカソやシャガールといったロシア人作家はまだまだ強いように感じています。また、為替がドルに対してユーロやポンドといったヨーロッパ通貨に対して強いのでロンドンのセールもアメリカからの出品が多かったようです。

 オークションの結果は全体でみると、不況は全く関係ないように思いますが、1点の高額作品が多くの不落札の結果をカバーしているのが実情です。日本ですと、全体をカバーするような高額作品の落札がないために、じり貧であることが数字でも出てきてしまうのです。
 今の経済状況は、お金持ちはますますお金持ちになり、中間層以下はどんどん貧乏になっていることが、美術の世界でも感じられます。

 今回、社長がロンドンから帰ってきて、何を感じてきたかと言うと、走っている車がディーゼル車と電池自動車ばかりだったということでした。ガソリンの高騰のせいか、ガソリン車はほとんど走っていなかったと驚いておりました。ガソリンの値段があがることに、ヨーロッパは敏感に、生活レベルで様々な変化が起きているようです。
 ドイツでは、今年にはいって各家庭に太陽電池を入れると国から補助金がでるようで、一挙に太陽電池が普及しているようです。
 変化に対応するのはアメリカの専売特許だと思っていたら、ヨーロッパも素早く、環境の変化に対応するようです。
 
 日本はなかなか変化に対応しきれていないように思いますが、うちの社長ですら「今度、車を買い替えるときは電池自動車だな」と言っています。
 環境問題とガソリンの高騰、そしてロンドンの環境がうちの社長の消費行動も変えそうです。




銀座柳画廊 副社長  野呂 洋子

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